見渡す限り、ずっと同じような鳥居だ。それぞれが別の神社につながるということは、何百、何千という数になる。
「ひとりだと戻れなくなるから、はぐれるなよ」
「わかりました」
そして、ふと気になることが頭をよぎった。
「もしくぐっている途中で礼也さんと手が離れたらどうなるんですか?」
「狭間に落ちる」
「狭間?」
「そう、狭間。現世でも隠世でも天界でもない、なにもない世界だと言われている。まあ、俺も行ったことがあるわけじゃないけど」
「なにもない……」
どんな世界かと想像して、ぶるりと身震いする。そんな場所に落ちてしまうなんて、怖すぎる。しかも、自分では脱出する術がないのだから。
「礼也さん、絶対に手を離さないでくださいね」
陽茉莉は思わず相澤の腕に自分の手を絡め、ぎゅっと抱きついた。
すでにしめ縄はくぐり抜けたのだから大丈夫だとは思うけれど、こんなトラップが他にもあったら……と不安になる。
「離さないよ。これから、ずっと」
安心させるような優しい瞳に、胸がきゅんとする。相澤は指を絡めてしっかりと手を握ると、鳥居のほうへと歩き出した。
「ひとりだと戻れなくなるから、はぐれるなよ」
「わかりました」
そして、ふと気になることが頭をよぎった。
「もしくぐっている途中で礼也さんと手が離れたらどうなるんですか?」
「狭間に落ちる」
「狭間?」
「そう、狭間。現世でも隠世でも天界でもない、なにもない世界だと言われている。まあ、俺も行ったことがあるわけじゃないけど」
「なにもない……」
どんな世界かと想像して、ぶるりと身震いする。そんな場所に落ちてしまうなんて、怖すぎる。しかも、自分では脱出する術がないのだから。
「礼也さん、絶対に手を離さないでくださいね」
陽茉莉は思わず相澤の腕に自分の手を絡め、ぎゅっと抱きついた。
すでにしめ縄はくぐり抜けたのだから大丈夫だとは思うけれど、こんなトラップが他にもあったら……と不安になる。
「離さないよ。これから、ずっと」
安心させるような優しい瞳に、胸がきゅんとする。相澤は指を絡めてしっかりと手を握ると、鳥居のほうへと歩き出した。