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 天界に向かう日は、あっという間にやってきた。

 電車に乗って八幡神社に行くと、相澤は境内の片隅にある直径二メートルほどの輪になったしめ縄へと向かう。前々から、陽茉莉が『これはなんだろう?』と気になっていたものだ。

「陽茉莉、来て。手を離すなよ」

 しっかりと手を握られ、相澤と共にそのしめ縄の輪をくぐる。そこで目にした光景に、陽茉莉は思わず感嘆の声を漏らした。

「わあー、すごい!」

 ついさっきまで都心にある神社にいたはずなのに、目の前にはまったく違う光景が広がっていた。

 正面にまっすぐに延びる石畳の先には、大きな鳥居がひとつ。そして、同じような鳥居が左右にいくつも立ち並び、さながら鳥居の壁のように見える。

 後ろを振り返ると、先ほどくぐったのと同じ、大きな輪のしめ縄があった。けれど、その向こうは竹林が広がっており、八幡神社とは似ても似つかない。