「いや、俺としては陽茉莉の家族とたくさん話せてよかったよ。陽茉莉のお父さんも最後のほうは饒舌だったし」
「お父さんってば……。本当にごめんなさい」
「いいって。楽しみにしておく」
相澤は屈託なく笑う。
最初こそほとんど口を利かずに黙り込んでいた陽茉莉の父親だったが、釣り具を持った父親と陽茉莉の写真に相澤が興味を持ったところから急に饒舌になった。過去にどんな大物を釣り上げたかの武勇伝を延々と語り、自慢の魚拓コレクションをひとつひとつ見せ、ついには今度釣りに一緒に行く約束までしていたのだ。
「それにしても今日の写真に写っていた礼也さん、オオカミ姿の悠翔君にそっくりでしたね」
「まあ、兄弟だからね」
「礼也さんとの出会いの写真が残っていて、嬉しかったです」
相澤は隣を歩く陽茉莉を見つめ、目を細める。
「そうだな。俺の記憶の中の陽茉莉と一緒だった」
「どういうことですか?」
「すごく可愛いいってこと」
「お父さんってば……。本当にごめんなさい」
「いいって。楽しみにしておく」
相澤は屈託なく笑う。
最初こそほとんど口を利かずに黙り込んでいた陽茉莉の父親だったが、釣り具を持った父親と陽茉莉の写真に相澤が興味を持ったところから急に饒舌になった。過去にどんな大物を釣り上げたかの武勇伝を延々と語り、自慢の魚拓コレクションをひとつひとつ見せ、ついには今度釣りに一緒に行く約束までしていたのだ。
「それにしても今日の写真に写っていた礼也さん、オオカミ姿の悠翔君にそっくりでしたね」
「まあ、兄弟だからね」
「礼也さんとの出会いの写真が残っていて、嬉しかったです」
相澤は隣を歩く陽茉莉を見つめ、目を細める。
「そうだな。俺の記憶の中の陽茉莉と一緒だった」
「どういうことですか?」
「すごく可愛いいってこと」