相澤は少しばつが悪そうに頭に手をやる。

(礼也さんでもそんなことを心配するんだ……)

 いつもの自信に満ちあふれた姿からは想像もできない一面を知って、愛しさが込み上げる。

「大丈夫ですよ。それに、そんなこと言われたらお父さんと絶交です」
「そんなことさせない。陽茉莉とのことはご両親に祝福されたい」

 相澤はわずかに眉根を寄せると、先ほどの不安げな様子から一転して真摯な眼差しを陽茉莉に向ける。

「絶対に世界一幸せな花嫁にする」

 まっすぐに見つめられ、ドキンと胸が跳ねる。まるでプロポーズのような台詞に、頬が赤らむのを感じた。

「……うん」
「陽茉莉、愛しているよ」

 秀麗な顔が近づき、そっとキスをされた。