「仕方がないなあ」
「愛しているよ。俺の奥さん」

 ご飯をよそうのを手伝ってくれていた相澤は陽茉莉の頬に触れるだけのキスをすると、茶碗(ちゃわん)をテーブルへと運んでゆく。

 陽茉莉はふうっと息を吐く。

(あんまり強く怒れないところ、私も礼也さんにベタ惚(ぼ)れだなあ)

 陽茉莉は内心苦笑したのだった。