真っ赤になった陽茉莉はあわあわしながら相澤から距離を取ろうと身じろぐ。体を捩らせると、相澤の胸を押し返した。
「テレビに夢中になっていたよ」
「でも──」
陽茉莉の反論はそれ以上続かなかった。再び重なった唇から伝わる熱は容易く陽茉莉を蕩けさせる。
陽茉莉はちょうど手に触れた相澤のシャツを、ぎゅっと握りしめた。
──その五分後。
フライパンを覗き込んだ悠翔が怪(け)訝(げん)な声をあげる。
「お姉ちゃん、焦がしちゃったの?」
「ちょっとボーッとしちゃって。ごめんね」
陽茉莉は心の動揺を必死で隠しながら、両手を顔の前で合わせて謝る。
フライパンの端のソースは少し焦げついてしまっていた。ただ、全体的にはさほど被害のないレベルなので味は大丈夫だと思う。
「テレビに夢中になっていたよ」
「でも──」
陽茉莉の反論はそれ以上続かなかった。再び重なった唇から伝わる熱は容易く陽茉莉を蕩けさせる。
陽茉莉はちょうど手に触れた相澤のシャツを、ぎゅっと握りしめた。
──その五分後。
フライパンを覗き込んだ悠翔が怪(け)訝(げん)な声をあげる。
「お姉ちゃん、焦がしちゃったの?」
「ちょっとボーッとしちゃって。ごめんね」
陽茉莉は心の動揺を必死で隠しながら、両手を顔の前で合わせて謝る。
フライパンの端のソースは少し焦げついてしまっていた。ただ、全体的にはさほど被害のないレベルなので味は大丈夫だと思う。