(うーん、今日も可愛い!)

 目を輝かせて一生懸命お団子にしている悠翔を見ていると、ほっこりとした気分になる。

 全部のお肉を成形すると、熱してあったフライパンに入れた。じゅわっという、聞いているだけでお腹が空くような美味しい音がする。

「あとはなにをするの?」
「焼き目をつけたら煮込むだけだから、しばらく待ちかな」
「わかった。じゃあ、僕は向こうで遊んでいていい?」
「うん、いいよ。できあがったら呼ぶね」
「うん!」

 悠翔は大きく(うなず)くと、ぱたぱたとリビングのほうへ駆けてゆく。
 キッチンに残った陽茉莉はフライパンの上で焼かれるお肉をひっくり返す。表面にはこんがりといい具合に焼き色がついていた。

「よしっ、いい感じ」

 フライパンの隙間にたっぷりときのこを散らし、赤ワインとデミグラスソースを加えて煮込んでゆく。きのこたっぷりの煮込みハンバーグは食卓に秋らしさを醸し出すので、この季節の定番だ。

「陽茉莉。ただいま」

 料理に夢中になっていると、不意に呼びかけられた。