(よし。この間にパンプキンポタージュを作ろうかな)

 陽茉莉はコンソメスープで柔らかく煮込んでいたかぼちゃをハンドブレンダーにかけてなめらかにすると、牛乳で溶いてゆく。
 そうこうする間に玉ねぎを炒め終えた悠翔が、陽茉莉の手元を覗き込んできた。

「あ。僕このスープ好き。甘いから」
「うん、甘いよね。これ、お砂糖は入れてないんだよ。かぼちゃの甘さなの」
「へえ、そうなの? かぼちゃって甘いんだね」

 悠翔は目を丸くした。
 玉ねぎのみじん切りは悠翔の頑張りで美しい飴色に変わる。陽茉莉はそれをボウルに入れて冷ますと、挽き肉と卵、牛乳に浸したパン粉などと混ぜ合わせて粘りが出るまで練った。

「悠翔君、丸めるの一緒にやる?」
「やっていいの?」
「いいよ。まあるくお団子にしたら、パンパンって両手で交互にキャッチして中の空気を抜くの」

 陽茉莉がボールをキャッチするのかのようにやってみせると、悠翔は目を輝かせる。

「うん、僕もやりたい」