◆◆ 1
外が明るい気がして、ふと顔を上げて窓の外を見る。先ほどまで広がっていた雲は、いつの間にかなくなっていた。
「今日は満月か」
お饅頭のようにまん丸の月が、空に浮かんでいるのが見えた。ベランダに置かれたプランターが月明かりに照らされている。
「礼也さん、遅いなあ」
今夜は一緒に映画鑑賞しようねと約束していたのに。
時計を見ると、時刻はすでに十一時近い。今日は、手強い相手だったのだろうか。
なんとなく気になり、視聴していた映画を停止してベランダへと出る。晩秋の風がひんやりと頬を撫でた。
我が家は都心の住宅街にあるけれど、こんな場所でも虫は逞しく生きているようだ。どこからかリーン、リーンと鳴き声が聞こえてくる。
外が明るい気がして、ふと顔を上げて窓の外を見る。先ほどまで広がっていた雲は、いつの間にかなくなっていた。
「今日は満月か」
お饅頭のようにまん丸の月が、空に浮かんでいるのが見えた。ベランダに置かれたプランターが月明かりに照らされている。
「礼也さん、遅いなあ」
今夜は一緒に映画鑑賞しようねと約束していたのに。
時計を見ると、時刻はすでに十一時近い。今日は、手強い相手だったのだろうか。
なんとなく気になり、視聴していた映画を停止してベランダへと出る。晩秋の風がひんやりと頬を撫でた。
我が家は都心の住宅街にあるけれど、こんな場所でも虫は逞しく生きているようだ。どこからかリーン、リーンと鳴き声が聞こえてくる。