崎蘭高校2年生16人。このメンバーで必ずてっぺんを取ってやる。

「おーい。修斗行くぞー!」

 翌朝6時きっかりに、窓の向こうから声がした。夢から無理矢理剥がされた俺の寝起きは当然悪い。

「おい修──!」
「シャラップ!!」

 バシンと乱暴に窓を開けると、笑顔の哲也と目が合った。

「おはよ修斗」
「早いっつってんだろ!」
「今日は6時58分の電車じゃないと間に合わん」
「そんなこと言っていつも俺等が1番乗りじゃねえか!」
「いいから早く部屋上げてよ」

 こんなにも不機嫌な人間を前にしても悪びれぬ態度。窓の縁で項垂れた。

「ひとりで行けよもー」
「やだよっ。一緒に行きたいじゃん、それが青春じゃんっ」

 途端に鼻で奏でられる、バスケアニメのオープニングソング。ふんふんと陽気な彼を一頻り眺めていれば、眠気が空の彼方へ消えていく。

「それもそっか」

 いつだって俺の朝は、元気な哲也から始まるんだ。