キュッキュッ。キュッキュッキュッ。
歓声に比例するかのように、シューズの音は激しくなる。
横井マークの哲也は、早速挨拶がわりの2点を決められていた。これは仕方ないと思う。ジャンプボールの運もあるし。
背番号7をもらった旬は、相手7番の巨体に少し苦戦しているようだった。もっと落ち着けば、身長差などカバーできるのに。
背番号8の圭介が、第1クオーターでプレーする姿は初めて見た。いい動きだ。さっきからパスを貰えない相手が燻っている。
「智久、こっちにあがれ!」
開始5分。早くも12点差がついて焦っているのか、哲也の指示は明け透けなうえ、遅い。
「あー、もう!」
小さく舌打ちをするのは隣の真那花。
横井に行き先を読まれた哲也のパスは、軽々カットされ奪われた。それを綺麗にネットへ潜らせるのも、また横井だ。
6対20。14点差。
その後は膠着状態が続き、第1クオーターは幕を閉じた。しかしインターバルはとても短い。第2クオーターはすぐにやってくる。
「はあっ、はあっ」
哲也は相当バテていた。
「はあっ、はあっ」
息をしているというよりは、酸素を取り入れているだけにも見える。焦れるは、俺。
「今すぐここから飛び降りて、試合してえ……」
がしがし頭を掻いて呟けば、真那花に肘で突つかれた。
「あはは。修斗が参加したら、楽勝?」
「あったりめーだろ。横井になんかボール触らせねえよ」
「うっわ。自信あるー」
俺は俺の不甲斐なさのせいで、ユニフォームを貰えていない。けれど闘うは俺の仲間だ。南山中学バスケ部の、大切な仲間。
「負けんなよお……」
行け、お前等。
歓声に比例するかのように、シューズの音は激しくなる。
横井マークの哲也は、早速挨拶がわりの2点を決められていた。これは仕方ないと思う。ジャンプボールの運もあるし。
背番号7をもらった旬は、相手7番の巨体に少し苦戦しているようだった。もっと落ち着けば、身長差などカバーできるのに。
背番号8の圭介が、第1クオーターでプレーする姿は初めて見た。いい動きだ。さっきからパスを貰えない相手が燻っている。
「智久、こっちにあがれ!」
開始5分。早くも12点差がついて焦っているのか、哲也の指示は明け透けなうえ、遅い。
「あー、もう!」
小さく舌打ちをするのは隣の真那花。
横井に行き先を読まれた哲也のパスは、軽々カットされ奪われた。それを綺麗にネットへ潜らせるのも、また横井だ。
6対20。14点差。
その後は膠着状態が続き、第1クオーターは幕を閉じた。しかしインターバルはとても短い。第2クオーターはすぐにやってくる。
「はあっ、はあっ」
哲也は相当バテていた。
「はあっ、はあっ」
息をしているというよりは、酸素を取り入れているだけにも見える。焦れるは、俺。
「今すぐここから飛び降りて、試合してえ……」
がしがし頭を掻いて呟けば、真那花に肘で突つかれた。
「あはは。修斗が参加したら、楽勝?」
「あったりめーだろ。横井になんかボール触らせねえよ」
「うっわ。自信あるー」
俺は俺の不甲斐なさのせいで、ユニフォームを貰えていない。けれど闘うは俺の仲間だ。南山中学バスケ部の、大切な仲間。
「負けんなよお……」
行け、お前等。