「来週の練習試合、月仲(つきなか)中学とだなー」
「去年1年なのに、3年に交ざって大会出た横井(よこい)がいるところだろ?ぜってー負けんじゃん」

 哲也の部屋。早々と食べ終わった俺を尻目に、3人はとどめのアイスクリームを頬張りながら歓談を続けていた。バニラアイスの棒を舐め、哲也が言う。

「大丈夫だろ。うちには修斗がいるから」

 えっへんとご機嫌な彼には、嬉しくなる。

「まーそれもそっか。うちには修斗もいるし、哲也っていう影の立役者もいるからな」

 そう言って、哲也の腕を肘でこつんと突くは祐太。途端に哲也ははにかんだ。

「お。嬉しいこと言ってくれんじゃん」
「今回もきっと新人戦と同じ、修斗が4番、哲也が5番だろ」

 ふたつ歳上の先輩と互角にプレーした人間と試合ができると思うだけで、俺の闘魂はみなぎった。