​───18:52。




「つまり、真柴みのりは自分の周りの活況に対して葛藤してるってことっすよね」


「そう。……でも私ね、真柴さんが、おたすけ部さんたちの力に頼りたくなってしまうのもなんとなくわかる気がするの」

「え、そうですか?」

「良い意味で、近寄りやすいと思うわよ?職員室でも話題だもの。青柳くんなんか、運動部の勧誘断っておたすけ部に入ったんでしょう。教師泣かせで有名人よ」

「まじっすかぁ、照れます」
「照れるとこじゃないよ茅人」



「真柴さんのこと、どうかよろしくね」
「おれらはちょっと背中押してやるだけなんで。頑張るのは本人っす」
「ふふ、そうね」






「ママぁ、かえるー」

「あ、すいません、長々と。娘さんのこともまたせちゃって」
「あら、こちらこそ。寒い中待っててくれてありがとう」
「ほぼ待ち伏せですけどね」
「こら椎花」




「じゃあ、青柳くんも粟野さんも、気をつけて。ほら、ナナもお姉ちゃんたちにバイバイして」

「…バイバイ」
「子供かわいいな……」
「茅人が言うとなんかキモい…」

「…うしろのおにーちゃんも、ばいばい」




「え」
「え」

「え?」




「ナナちゃん……───視えてるの?」




こくり、ナナちゃんが確かに頷く。

その瞳は───確かに、壱弥を映していた。