「お願いします、もう頼れる人がおたすけ部さんしかいないんです…っ」

「えっ、ちょ、真柴さん」

「この学校に関わる人を助けるのがおたすけ部さんなんですよね…っ!?お願いします、お願いします……っ!」



スカートを握りしめ、何度も何度も頭を下げる真柴みのりからは焦りの色も見てとれた。相当緊迫しているのだろうか。彼女のクラスで怒っているいじめは、第三者が他人に頼むほど、悪化しているものなのか。




「ん―――――…やるかあ」


くしゃくしゃと髪を掻いた茅人がそう声をあげた。青柳茅人。部員の中でいちばん面倒くさがり屋であり、いちばん部活愛と優しさを持つ男である。

「椎花」と呼ばれ、アイコンタクトを送られる。特等席である畳の上に胡坐をかいて座っていた壱弥も、私を見て小さく頷く。青春活動応援部の部長として、真柴みのりの依頼を受ける以外に選択肢はないようだった。





「…話を聞きます。顔上げてください、真柴さん」


窓を吹き抜けた秋風が、やけにつめたかった。