───20年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こしたいようですが、どこに埋めたかわからないとのことで、ここで青春活動応援部の力を借りようかと。




「つってもなぁ……本人がわかんないならわかるわけなくねえか」
「うっさいな、依頼なんだから仕方ないでしょ」
「俺らは青春活動を応援する部活だろ。生徒ならまだしも用務員って…」
「古畑さんにはいつもお世話になってんじゃん」

「あ、つうか壱弥動けよ、なに呑気にベンチに座ってんだ」
「日焼けするの無理で」
「女子か!」
「茅人それ差別―、男でも日焼けしたくない人はたくさんいますー。ねー茅人」
「うん」
「お前らいつも若干グルなのずるいって…」



グラウンドを囲むように生える木々の根のあたりに積もる枯れ葉を箒で掃きながらそんな会話をする私と茅人、それから、そんな私たちを少し離れたベンチに座って微笑ましく眺める壱弥。依頼主である用務員の古畑さんは、壱弥の隣に座って「いい天気だねぇ」と空を見上げている。


百鬼会長から受け取った依頼は、古畑さんが20年前、この学校で教員として働いていた頃に埋めたタイムカプセルを見つけたいとのこと。

どうも、"見つけなければならない"理由があるらしいのだが、タイミングを見逃してしまい詳しい話はまだ聞けていない。