「青春活動応援部宛に依頼ですよ」



バスケ部の試合を終えた茅人がおたすけ部へと舞い戻ってきた、試合明けの月曜日のこと。

おたすけ部の部室には、1年生の時の文化祭のミスコン予選で『イケメンだけど絶対彼氏にしたくない男』の座を獲得したことで有名な百鬼(なきり)会長がやって来た。



「あー、ごめんねかいちょー。今うちの部は依頼受けてないのーめんどくさいから」
「めんどくさいから…?」
「ちょっと茅人勝手なこと言うな」


「椎花、そういえばこの間借りた色鉛筆、会長さんに返した?」
「あ、そうだった。かいちょー、ついでに借りてた色鉛筆返します」
「ついでに…?」

「きみたちいい加減に…」
「もぉお、かいちょー怒らせたのだれ?」
「茅人でしょ」
「いや椎花だろ」
「間をとって壱弥?」
「はは」
「ははって」



「で、なんでしたっけ。お菓子の差し入れですか?ありがとうござ、」

「この部は今すぐ廃部でいいですかね早急に手続きを」

「百鬼会長 依頼ですか喜んでお受けいたします!!!」




10月上旬、枯れ葉が散って中庭掃除が大変な……じゃなくて、紅葉が綺麗で 教室の窓から見える景色に趣がある季節。




「用務員の古畑(ふるはた)さんが探し物があるとかなんとかで、ここは是非おたすけ部の力を借りたいと」


おたすけ部宛てに、便利屋にありがちな依頼が届いた。