「やーや、ごめんごめん。お母さんが帰りに牛乳とバター買ってきてほしいってさぁ。……って、わ。懐かしい、それ体育祭のじゃん」



「この後、俺と壱弥のツーショ死ぬほど撮られたよな」
「売れるからね」
「収益半分くらい貰ってもよくねーか俺ら」
「まあそれは一理ある…」


「聞いた話によるとさ、茅人と壱弥って一部の腐女子に人気なんだって」
「なんじゃそら」
「いつも言い合いしてて不仲そうなのに実は仲良しなとことか? 写真部さんに聞いた話だからわかんないけどね。私はふたりが不仲とかは感じたことないけど…」

「……」
「……」
「…え?ふたりとも聞いてる?」



「……ん"ん"。にしても、俺はともかく、壱弥みたいにナヨい男がモテるのは解せねえわ」
「壱弥は癒し効果あるからねぇ」
「え、そう?」
「ゆるふわ男子ってモテるよね? 私も茅人みたいな、いつもだるそうな男より優しくてゆるい人の方がタイプだもん」

「……」
「……」
「え、なになんで黙るの」

「……茅人。百鬼会長のとこ言ったら黒糖饅頭くれるかも──」





「だぁっうぜー!やっぱ俺おまえのこと嫌いだわ壱弥!!」