「ね、ハクが地上で本当にしたかったことを、教えて」
「……。その宝玉は、私のものではないんだ。そのヒトのものだ。許された者しか触れられないのだとしたら、それはそのヒト自身がかけた術によるものだ」
ハクが手を伸ばす。
やはり彼女の指先で、小さな火花が散った。
ハクの顔が俺を見上げる。
「つまり、許されたものにしか扱えない」
「ど、どうすればいいの?」
「そこまで聞いてないのか」
「き、聞いてない」
願えばいいのかな。宝玉に願いごと?
だけど人間に扱えるものじゃないって……。
俺は手にした宝玉を、天に掲げた。
「ハ、ハクを天に帰して!」
日はすっかり落ちて、こんな森の中では側にいる皆の顔すら、もはやよく分からないほどの暗さになってしまった。
鳴き始めた虫の声と街の騒音が聞こえる。
「ちょ……めっちゃ恥ずかしいんだけど……」
「まさか偽物?」
触れようとした舞香の指先にも、ピッと雷光が走る。
「痛っ!」
舞香にもハクにも触れられない。
唯一触れることの出来る俺には、その扱いが分からない。
宝玉は発見した。
ハクを戻す方法はこの次か……。
「もう遅い。今日はこのまま帰って、これからのことは……」
「かしてみろ」
荒木さんの手が伸びた。
大きな手で、俺の持っていたそれをわしづかみにする。
「あ! ちょ、それはダメな気が……」
彼の手の平にすっぽりと収まったそれは、その手に触れた瞬間、輝き始めた。
「光ったぞ」
「いやいやいやいや……」
だ、だから! 荒木さんが持っちゃダメだって!
それじゃあここにいるみんなに……。
その瞬間、ハクの体が光りに包まれた。
夜空の闇を突き破るように、頭上から光りの柱がゆっくりと降りてくるのが見える。
「迎えだ」
荒木さんはそれを見上げ、ゆっくりと微笑んだ。
「お前、まさか!」
「ハクちゃん!」
舞香はハクを抱きしめた。
「……。その宝玉は、私のものではないんだ。そのヒトのものだ。許された者しか触れられないのだとしたら、それはそのヒト自身がかけた術によるものだ」
ハクが手を伸ばす。
やはり彼女の指先で、小さな火花が散った。
ハクの顔が俺を見上げる。
「つまり、許されたものにしか扱えない」
「ど、どうすればいいの?」
「そこまで聞いてないのか」
「き、聞いてない」
願えばいいのかな。宝玉に願いごと?
だけど人間に扱えるものじゃないって……。
俺は手にした宝玉を、天に掲げた。
「ハ、ハクを天に帰して!」
日はすっかり落ちて、こんな森の中では側にいる皆の顔すら、もはやよく分からないほどの暗さになってしまった。
鳴き始めた虫の声と街の騒音が聞こえる。
「ちょ……めっちゃ恥ずかしいんだけど……」
「まさか偽物?」
触れようとした舞香の指先にも、ピッと雷光が走る。
「痛っ!」
舞香にもハクにも触れられない。
唯一触れることの出来る俺には、その扱いが分からない。
宝玉は発見した。
ハクを戻す方法はこの次か……。
「もう遅い。今日はこのまま帰って、これからのことは……」
「かしてみろ」
荒木さんの手が伸びた。
大きな手で、俺の持っていたそれをわしづかみにする。
「あ! ちょ、それはダメな気が……」
彼の手の平にすっぽりと収まったそれは、その手に触れた瞬間、輝き始めた。
「光ったぞ」
「いやいやいやいや……」
だ、だから! 荒木さんが持っちゃダメだって!
それじゃあここにいるみんなに……。
その瞬間、ハクの体が光りに包まれた。
夜空の闇を突き破るように、頭上から光りの柱がゆっくりと降りてくるのが見える。
「迎えだ」
荒木さんはそれを見上げ、ゆっくりと微笑んだ。
「お前、まさか!」
「ハクちゃん!」
舞香はハクを抱きしめた。