「それだと、柘植が裏切って私達のことを職員に言うかもしれない。あくまでも私達だけでやらないとダメだよ」
杏は思ったよりも冷静だった。あたしは動揺する。どうする、このままだとやっぱり計画はご破算でということになるのか。そうすると、今夜は杏を陵辱できない。男共には、今夜、杏とやらせてやるともう伝えてしまった。おあずけとなると、あたしに対して大きな不満を持つだろう。お父さんがいるから大丈夫だとは思うけど、あたしはあたしの力で彼らをきっちり掌握し支配し続けたい。あたしの楽園であるこの施設を維持したい。
「私が柘植から盗んでくる。それから逃げよう」
杏がはっきりとした口調でそう言った。
「あ、杏が盗んでくるの?」
想定外の提案にあたしは驚いた。
「私は昔から父親から財布やクレカをくすねてきてる。あんたより慣れてるよ。今すぐ柘植の部屋に行ってくる。あんたは食堂に戻って、女子達を部屋に戻って来ないように何とか足止めしておいて」
「柘植の部屋もきっと鍵がかかってるよ?」
「部屋の鍵程度なら、ヘアピンひとつで開けられるよ」
ピッキングなんて出来るのか。この子は単なる精神疾患のある強気なお嬢様というわけじゃないようだ。油断は禁物かもしれない。あたしは、加藤杏に対する警戒度を二段階ほど上げた。
「行ってくる。柘植達の足止めよろしく」
杏はそう言い残すと、すぐに階段を駆け上って行った。あたしに返事をする間も与えてくれない。あたしは仕方なく、食堂に戻り柘植達に作戦がちょっと変わったことを告げた。
柘植は杏の行動に「やっぱやるじゃん、あの子」とおかしそうに笑い、小川は「加藤も早く籤に当たって私達の側に来れば良かったのよ。その方があの子も楽だったのに」と眉をひそめた。その他の女子は何も言わず、死んだような目で食事を続けている。あたしは彼女達のことは人形だと思っている。薬漬けにされて、労働とセックスを強いられても何も感じない、血の通った人形だ。あれがこの施設で生活する私以外の女子生徒の最終到達地点だ。やがて柘植と小川もああなるだろう。いくら個人差があると言っても毎食、薬を混ぜられた食事を摂っている限り、そうなるのだ。あたしとお父さんの可愛い愛玩ドールとして、性欲処理の道具として飽きるまで遊ばせてもらう。その後は、人知れず海の藻屑となるのだ。
杏は思ったよりも冷静だった。あたしは動揺する。どうする、このままだとやっぱり計画はご破算でということになるのか。そうすると、今夜は杏を陵辱できない。男共には、今夜、杏とやらせてやるともう伝えてしまった。おあずけとなると、あたしに対して大きな不満を持つだろう。お父さんがいるから大丈夫だとは思うけど、あたしはあたしの力で彼らをきっちり掌握し支配し続けたい。あたしの楽園であるこの施設を維持したい。
「私が柘植から盗んでくる。それから逃げよう」
杏がはっきりとした口調でそう言った。
「あ、杏が盗んでくるの?」
想定外の提案にあたしは驚いた。
「私は昔から父親から財布やクレカをくすねてきてる。あんたより慣れてるよ。今すぐ柘植の部屋に行ってくる。あんたは食堂に戻って、女子達を部屋に戻って来ないように何とか足止めしておいて」
「柘植の部屋もきっと鍵がかかってるよ?」
「部屋の鍵程度なら、ヘアピンひとつで開けられるよ」
ピッキングなんて出来るのか。この子は単なる精神疾患のある強気なお嬢様というわけじゃないようだ。油断は禁物かもしれない。あたしは、加藤杏に対する警戒度を二段階ほど上げた。
「行ってくる。柘植達の足止めよろしく」
杏はそう言い残すと、すぐに階段を駆け上って行った。あたしに返事をする間も与えてくれない。あたしは仕方なく、食堂に戻り柘植達に作戦がちょっと変わったことを告げた。
柘植は杏の行動に「やっぱやるじゃん、あの子」とおかしそうに笑い、小川は「加藤も早く籤に当たって私達の側に来れば良かったのよ。その方があの子も楽だったのに」と眉をひそめた。その他の女子は何も言わず、死んだような目で食事を続けている。あたしは彼女達のことは人形だと思っている。薬漬けにされて、労働とセックスを強いられても何も感じない、血の通った人形だ。あれがこの施設で生活する私以外の女子生徒の最終到達地点だ。やがて柘植と小川もああなるだろう。いくら個人差があると言っても毎食、薬を混ぜられた食事を摂っている限り、そうなるのだ。あたしとお父さんの可愛い愛玩ドールとして、性欲処理の道具として飽きるまで遊ばせてもらう。その後は、人知れず海の藻屑となるのだ。