その日のお昼過ぎ。

少し遅い昼食を摂った優美は、午後の仕事に向けて、パソコンに向かった。

「瞳ちゃんは?」

「お昼に出たと思いますよ?」

「そう…」

後輩に頼まれていた書類のチェック。

午前中になんとか終わらせて、『OKだったよ。』と渡すだけにしてあった。


「今、何時だろう…」

朝美は時計を見た。

「2時過ぎか…」

もう一度、書類を目を落とした時だった。



ガタッガタッ ガタッガタッ

床が揺れた。

「なに?地震?」

周りにいる同僚達と、視線を合わせた。


宮城は地震が多い場所。

宮城県地震も、そろそろくるだろうと、皆予測はしていた。

でも30年前の宮城県沖地震と同じような大地震は、まだ起きてなかった。