一方、駅から10分程のビルで、優美はOLとして働いていた。

「おはよう。」

「おはようございます、木村さん。」

入社して4年。

後輩もできて、仕事も順調だった。

同じ歳の彼氏、大樹(タイキ)とはまだ付き合って一年ちょっと。

朝美のように、結婚の話はまだ出ていなかった。


「まあ、もう少し仕事もバリバリやってみたいしね~。」

朝美の結婚を羨ましいと思いつつも、今の生活を満喫したい気持ちもあった。

「木村さん。この前頼まれていた書類、チェックして頂けますか?」

「はい。」

役職はなかったが、大事な仕事も任され、仕事にやりがいを感じていたのも、確かだった。