「朝ご飯、できたよ。」

「いつもありがとう、お姉ちゃん。」

パジャマのまま、椅子に座る朝美。

「いっただっきま~す。う~ん。お姉ちゃんの卵焼きは、いつ食べても美味しい!」

優美の作った卵焼きを食べた朝美は、目を細めている。

「そういう朝美は、いつも調子いいんだから~」


4人兄妹の真ん中の姉妹、優美と朝美。

歳も26歳と25歳で、一つ違い。

だから姉妹というより、親友のような感覚だった。

田舎よりも街中で暮らしたかった優美に、朝美がついてくる形で、仙台の街中に、仲良く二人暮らしをしていた。


「ねえ、ところでさ。お兄ちゃんのところ、子供いつ産まれるんだっけ?」

優美と朝美の兄は、地元の石巻にいた。

「夏あたりだと思ってたけどな。」