心なしか涙ぐんでいるような気がした。

「うん。無事だった。そっちは大丈夫だった?」

『ああ。少し揺れたけど、全然大丈夫だった。』

仙台があれだけ揺れたのだから、東京も揺れないわけがない。


『朝美姉。兄貴と優美姉から、連絡あったか?』

「ううん。携帯、繋がらないの。」

『俺もだよ。携帯の災害伝言版に、一応メッセージは残しておいたけどさ…』

そう言えば、そういうモノもあったなと、朝美は思い出した。

『びっくりしたよ。テレビでは、世界中が日本のニュースを報じてる。』

朝美は、息が止まった。



今、目の前にある大災害が、想像以上の物だったのだと、ようやく、思い知らされたからだ。