「とりあえず、怪我人はいないようだから、よかったね。」

「そうだね。」

30年前の宮城県沖地震では、倒れたコンクリートの壁に下敷きになって、亡くなった人も多くいた。

だからだろうか。

大きな地震の際は、壁に近づかない。

そんな教訓が生かされいた。


「あれ?瞳ちゃん!」

「ああ!久しぶりです!無事でしたか!」

違う部署の人が瞳ちゃんを見つけて、駆け寄ってきた。

「よかった~。とりあえず、怪我もなくて。」

「本当にそうですよ。」

会ったその瞬間、”無事でよかった”。

そんな会話をするなんて、日頃の優美達には思ってもみなかった。

無事学校に着いて、近所の住人、小学生、みんなで校庭に列をなした。

優美は何気に、携帯を見た。