「智世ちゃん、知らない?」

みんなが、仲間を探す。


一瞬、嫌な予感が過ぎ去った時だ。

「智世ちゃん!」

誰かが叫んだ。

「びっくりした~。すごい揺れたね。」

何でもない顔して、智世は向こう側から歩いて来た。

「心配したよ~。お腹は大丈夫?」

仲間の一人が、智世に近づく。

「とりあえず、何でもなかった。」

智世のその一言で、みんなは胸をなで下ろした。


それもつかの間、優美は軽装の瞳に気付く。

「そうだ、瞳ちゃん。荷物は?」

「あっ、中だ。」

「取ってこれるか、聞いてみようか。」

「うん。」

優美と瞳は、ビルの中に入ろうと警備員に近づいた。

「すみません。今、中には入れません。」