ロッカーの中に預けていた荷物を取り出し、優美がビルの外に出た時だ。

「あっ!木村さん!」

「瞳ちゃん!」

お昼に外へ出ていた瞳と、奇跡的に再会した。

「あああ~!!本当に怖かったよ~~!!!」

半ベソをかきながら、瞳が優美にしがみつく。

「大丈夫!大丈夫だから!!無事でよかった、瞳ちゃん!!」


さっきまで、一緒に働いていたというのに。

急に一緒にいる事が、有難いと感じる。


「周りで、いない人はいませんか?」

会社の社員の人で、点呼係が言いまわっている。

「そう言えば、智世ちゃんがいない!」

誰かがそう叫んだ。

智世は、妊娠6ヶ月の身重だ。

「誰か、智世ちゃん見なかった?」