「ああ……」

まるで無関係のように、藤間さんは髪を掻き上げた。

「今日、付き添いの方は、いらっしゃいますか?」

「います。」

「呼んで来て頂けませんか?」

「はい。」

割と素直に、付き添いの人を、呼びに行ってくれた。


手術を拒否していても、付き添いの人から言われたら、また考え直すだろう。


「失礼します。」

付き添いの人は、年の離れた女性だった。

母親なのだろうか。