2週間後に来た藤間さんは、まるで何の病気も持っていないように、元気だった。

「体調はどうですか?」

「はい。薬のおかげで、楽に過ごしています。」

そしてニコニコと笑う彼女。


そんな笑っている場合じゃないだろう。

君は、癌患者なんだぞ。

胸の中で呟いた言葉を、彼女は知らない。

俺もニコニコしているからだ。

そして本題は、ここからだ。


「藤間さん。この前のお話なんですが。」

「この前の?」

「手術の話です。」