俺がそう言うと、美生は急に黙った。

「これから死ぬ人と結婚しても、先生が不幸になるだけだわ。」


美生は、自己犠牲の人だ。

自分が不幸になっても、相手を幸せにしたいと願う人。


「俺は君と結婚して、一緒に暮らす事が、幸せなんだ。それが例え短い時間であっても、君が一緒ならば楽しい時間に間違いない。」

「先生はただ、理想を思い浮かべているだけなんじゃないの?」

俺は髪を掻きむしった。

「そうじゃない。俺は君と一緒に幸せになりたいだけなんだ。何度言えば解かるんだ。」

「何度だって言うわ。先生はまだ、私の事解ってないもの。」


どんな言葉を掛けても、信じてくれない。

これが、長い間一人の人と、付き合った経験のある人の答えなのか。