藤間さんはそう言うと、ため息をついた。

「残りの人生は、思いっきり日差しを浴びて、生きて行きたいって決めたの。だから、治療はしません。」

俺は顔を歪ませた。


「君はまだ、その傘を差しているんだね。」

「えっ?」

俺は改めて、藤間さんを見つめた。

「傘を差すと人間、周りが見えなくなる。悲しい涙の雨も、日差しのような強い愛情も。」

「何言って……」

「君は、もっと生きるべきなんだ。自分を犠牲にして、相手を幸せにしたんだ。幸せになるべきなんだよ!」

藤間さんは、ゆっくりと息を吸い込んだ。