もっと、生きるべき人生が、藤間さんにはあるんじゃないか。

そう思ったら、勝手に涙が出た。


「やだ、どうしたんですか?何かあったんですか?」

「ん?」

目頭を押さえて、とぼけた振りをした。

「仕事のし過ぎじゃないですか?お医者さんって、なかなか休みも取れないって言うし。」

そう言って、コロコロと笑っている。


ああ、この笑顔を独り占めしたい。

僕だけのモノにしたい。

僕だけを見て欲しい。


もっと、俺と一緒に生きて欲しい。