すると藤間さんは、俺の事をちらっと見た。

「どうして盛岡先生は、そんなに手術を勧めるんですか?」

「あなたに、後悔して欲しくないからです。」

「後悔するかどうかは、私が決める事だわ。」

「病気はもう、ステージ3まできてるんです。助かりたいと思った時には、既に手遅れになるかもしれないんですよ?」

「安心してください。助かりたいなんて、思わないので。」

その軽く突っぱねる藤間さんの態度に、少しだけ人間味を感じた。

もしかして彼女。

自分の言った事に、引くに引けなくなってるのかな。

「藤間さん、余生を考える事はいい事だと思います。ただ、少し早すぎはしないですか?」

「そう言って、私に手術を受けさせようとしているんでしょ。」

俺はイライラするのを、必死に抑えていた。