翌日。藤間さんに手術の話をした。

けれど、彼女の意志は、変っていなかった。

「前にも言ったはずです。治療はしないと。」

相手に気づかれないように、ため息をついた。

「それは、お腹に傷ができるのが、嫌だからですか?」

「いいえ。私はもう苦しい思いをしてまで、生きていたくないんです。」

藤間さんは無表情だった。

安らかに微笑むでもなく、激しく怒るでもなく。

こう言っては何だけど、まるで観音様のようだ。

まだ、そんな事を言っているのか。

周りの患者は、助かりたくて、辛い治療を懸命に受けているというのに。

「藤間さん。何とか、手術は考えてくれませんか?」