藤間さんが目を覚ましたのは、検査の後だった。

ステージ3では、今直ぐ入院してもらうしかない。

マネージャーの久慈さんの指示で、病院の最上階にある、個室に入ってもらった。


「藤間さん。大丈夫ですか。ここがどこだか、解りますか?」

「……病室ですか?」

藤間さんは、まだぼーっとしていた。

「藤間さん。検査の結果なんですが、胃がんはステージ3まで進行していました。このまま、入院してください。」

「入院……」

それを聞いても、まだ他人事のように、ぼーっとしている。


その時だった。

マネージャーの久慈さんが、藤間さんの荷物を持って、やってきた。