今日(こんにち)、感染症対策をきっかけにソーシャルディスタンスなるものが社会のスタンダードとなっている。人と人との物理的なつながりが希薄化しつつある今、さまざまな物事が電子に置き換えられつつある。
 人は孤独を感じると自己と対話する。自己との対話のきっかけとなるのは、旅であり、読書である。さまざまな土地の空気に触れ、さまざまな人と本で出会うことが大事なのである。

 その体験は、より具体的であることが望ましい。

 今や世界中のどこで起きていることも、時差なく知ることができる。しかし、時間をかけて空間を移動するほうが、感じることが大きい。
 今やどんな書籍でも、ほとんどWeb上で、デバイス上で閲覧できる。しかし、分厚い本をひらき、紙の質感を手で感じながら活字を追うほうが、よりエモーショナルな世界が広がる。
 そして、自己と対話を重ね、未来を描く。

 オンライン化、ICT化の世の中を逆行するように見えるが、私は、出版社を創立したい。
 紙の温かさをとおして、人と人とがつながる温かさを伝えたい。作家と読者をつなげ、日本を温かさにあふれる国にしたい。
 多様性豊かな今、女が起業したっていいじゃないか。会社を子に子に残して行きたい。
 社長は我が子孫、既婚の子孫に託すとする。引き継ぎは別記『引き継ぎ虎の巻』により円滑に行うものとする。社長が元気なうちに、70歳のときに引き継いで、後生の活躍を応援したい。

 令和7年7月7日。
 ここに天乃川出版社を創立する。

 天乃川由貴子(あまのがわゆきこ)