「別れよう」




真冬の、この日は特に寒い日だった。


「ごめん」


その言葉に一瞬にして頭が真っ白になって、自分を見失いそうになった。


“嫌だ!別れたくない!”


咄嗟に思ったのはこれ以外なくて、感情のままに声を上げようと思った。

子供みたいに。

でも彼の顔を見たら言えなくなった。


すぅっと私の中で何かが消えた。


そんな悲しい顔、見たくなかった。

子供みたいに無邪気に笑う姿が好きだったのに。



いつから私の隣で笑わなくなったんだっけ…