というメールが3通届いていた。そこに大田がやってきた。大田はキャスターをきしませて三沢の隣にすわった。三沢は画像照合画面を元に戻した。結果は件数ゼロとなっていた。
「ゼロってえこたあねえだろ」
「設定を90%にしましたから」
「エラーっつうこたあねえのか?」
「かも知れませんが、もう一度、照合してみますか?80%に落として」
「きりがねえか。万策尽きたか」
「通り魔のスジはやりたくないですね」
「でも、そうかもしれん」
と大田は窓の外に視線をなげた。灰色の空がくすんでいる。
「やり残したことはねえか?」
「第一発見者の土岐はどうです?」
「どうゆう見立てだ」
「父親も言ってましたが、自分の部屋でいたずらしようとしたら拒否されて、追いかけて行って最後に飛びかかって」
「返り血を一滴も浴びてなかったな。事情聴取で気になることがあったか」
「いけ好かないやつでしたが」
「個人的な感想を聞いてねえ」
「父親はどうです。殺人の大半は親族殺人です」
「なんでわざわざ蒲田くんだりで?」
「担任の平林はどうです。いかにもパワハラとセクハラとアカハラで女の子に手を出しそうな風貌でした。糸井も言ってましたが、目つきがいやらしい。過去の少女殺人犯と風体が似通っている」
「そんな度胸がありそうに見えたか?『おかあさーん』って感じじゃなかったか?身長も170ねえぞ」
「バイト先の店主はどうです。誰かに似ていると思っていたんですが、大久保清だった」
「店を閉じて、追いかけて行ったてえのか?」
「強盗じゃないですよね。財布もあったし。もっとも、現金はほとんどなかったけど」
「現金は殺害される前からなかったんだ。バイトもキャバクラじゃねえし。蓼食う虫も好き好きだが、あの顔じゃな」
「現場は暗かった」
「それじゃ、通り魔だ。それは最後の線にしよう。白旗挙げて応援を頼まにゃならん」
「家出した母親はどうですか?」
「そのセンは潰してなかったな」
昼食後、三沢が第一発見者の土岐に名刺を見ながら電話連絡した。
「その後、何か情報はありましたか?」
「いいえ」
「害者の母親の連絡先を教えてください」
「クライアントに関する守秘義務があるので」
「なにいってるんだ、お前、クビになったんだろ。それに、母親はクライアントじゃないだろう。警察とは仲良くしておいた方がいいよ、仕事柄」
「ゼロってえこたあねえだろ」
「設定を90%にしましたから」
「エラーっつうこたあねえのか?」
「かも知れませんが、もう一度、照合してみますか?80%に落として」
「きりがねえか。万策尽きたか」
「通り魔のスジはやりたくないですね」
「でも、そうかもしれん」
と大田は窓の外に視線をなげた。灰色の空がくすんでいる。
「やり残したことはねえか?」
「第一発見者の土岐はどうです?」
「どうゆう見立てだ」
「父親も言ってましたが、自分の部屋でいたずらしようとしたら拒否されて、追いかけて行って最後に飛びかかって」
「返り血を一滴も浴びてなかったな。事情聴取で気になることがあったか」
「いけ好かないやつでしたが」
「個人的な感想を聞いてねえ」
「父親はどうです。殺人の大半は親族殺人です」
「なんでわざわざ蒲田くんだりで?」
「担任の平林はどうです。いかにもパワハラとセクハラとアカハラで女の子に手を出しそうな風貌でした。糸井も言ってましたが、目つきがいやらしい。過去の少女殺人犯と風体が似通っている」
「そんな度胸がありそうに見えたか?『おかあさーん』って感じじゃなかったか?身長も170ねえぞ」
「バイト先の店主はどうです。誰かに似ていると思っていたんですが、大久保清だった」
「店を閉じて、追いかけて行ったてえのか?」
「強盗じゃないですよね。財布もあったし。もっとも、現金はほとんどなかったけど」
「現金は殺害される前からなかったんだ。バイトもキャバクラじゃねえし。蓼食う虫も好き好きだが、あの顔じゃな」
「現場は暗かった」
「それじゃ、通り魔だ。それは最後の線にしよう。白旗挙げて応援を頼まにゃならん」
「家出した母親はどうですか?」
「そのセンは潰してなかったな」
昼食後、三沢が第一発見者の土岐に名刺を見ながら電話連絡した。
「その後、何か情報はありましたか?」
「いいえ」
「害者の母親の連絡先を教えてください」
「クライアントに関する守秘義務があるので」
「なにいってるんだ、お前、クビになったんだろ。それに、母親はクライアントじゃないだろう。警察とは仲良くしておいた方がいいよ、仕事柄」