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「トモちゃん、おつかれ」
「灰崎くん、おつかれ」
「どう?人生の進捗」
「んーん、最悪。また書類で落とされちゃった」
「そりゃ御社、センスねーわ」
「自分らしさについて記述するところ、『それなりに生きてるだけでえらいと思います』って書いたせいかなー」
「最大の特徴じゃん。トモちゃんの、つうか人間の一番偉いとこだわ」
「だよねだよね。次、がんばる」
「灰崎くんはどう?人生の進捗」
「この間早川と二人で回す日、グラス一回も割らなかった」
「えっ凄いじゃん」
「高校ん時使ってたサポーターしたんだよ。したらさ、早川のヤロー 鼻で笑いやがった」
「ごめんね灰崎くん、それ私も笑っちゃうかも」
「でも割らなかったんだよ。効果はあるってこと」
「あ、あとさ、西野さんに 正社員としてここで雇ってもらうことになったわ」
「えっほんと?凄い」
「だからさ、バーテンダーの勉強、ちゃんと始めた。元々興味はあったから、カクテル言葉とかは結構知ってた方なんだけど」
「凄いよ灰崎くん、サポーター新しいの買ったら?」
「バカにしてんなトモちゃん」
「トモちゃん、なんか作ってあげる?練習台になってよ。あ、明日面接とかある?そしたらやめとこう」
「ううん、無いから大丈夫。作ってくれるの?」
「いーよ。何飲みたい?」
「……ハーバードクーラーかな」
「え。おれ、トモちゃんに隠してること、もうないよ」
「私があるの」
「え?」
「灰崎くん、あのね」
「灰崎くんのことが好きだよ」