夜、寝る前にスマホで天気予報を確認すると、明日は朝から曇り、昼過ぎから雨の予報になっていた。いくつかのサイトを見てみたけれど、どこも同じ予報だった。
 歯がゆくなって、ベッドに寝ころんでいた僕は身体を起こすと、ティッシュでてるてる坊主を作った。高校生にもなってなにをやっているのだろう、と頭の隅では思いつつ、これ以外にできることが思いつかなかった。
 窓際にそれを吊り下げ、僕は「晴れますように」と小さく呟いた。
 ――明日、春野の作ったお弁当を、青空の下で食べられますように。