私は一応すっとぼけて、知らないフリをして聞いてみる。だけど、そんなこと由羽には通用しなかった。
「レイヤの2個目のスキャンダルを見たら、顔は隠されててもさとみだって私にはわかるよ。それに、あんなに大好きだった推しのレイヤの話をしなくなったのも、居候の話を聞いたのも時期が合ったから」
たしかに、あの写真は知り合いが見れば私だとわかってしまうかもしれない。由羽はそれに気づいていても、今まで何も言わずに待っていてくれたのだ。
いくら待っても私が話そうとしないし、うじうじしたままだったから、きっと言い出してくれたのだろう。
「――由羽の言う通りだよ。やっぱり分かっちゃうんだね」
「そりゃ、伊達にさとみの親友やってませんから?」
そう言ってふふっと笑う由羽はいつも通りだった。
「ねぇ、由羽……聞いてくれる?」
だから私は自分の気持ちを打ち明けることにした。