その間も怜也くんはずっと家にいて、同居生活をしている。昼間は私も仕事があるから一緒にいられないけれど夜は基本的に一緒だ。ちなみに怜也くんは、昼間レッスンなどがあり出かけていることもある。
 さすがにこれだけ一緒にいたら少しは慣れたけれど、心の中ではずっと叫んで、隙があれば見つめ続けている。だって、怜也くんが目の前でご飯食べたり、お風呂上がりに髪を拭いていたりするんだよ? そんなの叫ばない方がおかしいと思う。
 だけど、その日はいつもの怜也くんと少しだけ様子が違った。

「どうしたの?」

 いつも笑顔でおかえりと言ってくれる顔も、今日は無理に作っているように感じる。空元気というか、何かを隠しているような感じがするのだ。

「あぁ……もう、バレないようにしようと思ったのにやっぱりむりか……」

 怜也くんは、少し寂しそうに笑った後、その理由を教えてくれた。

「実はね、この間のライブの帰りを記者に見られていたらしくて……」