頭の中がフル回転したまま、私は家にたどりつきレイヤを家に招待した。ひとり暮らしだから特に気にすることもない……と思っていたのだけれど、入った瞬間ハッと我に返る。
――やばい。見られる。
そう思った時には既に遅く、いつもの癖で入口近くの電気のスイッチを押したあとだった。
一気に明るくなった部屋を見てレイヤくんはびっくりして固まっている。
「あっ、えっと……これは……」
目に写っているのは、たくさんのレイヤくんポスターと、4段ある棚に並べられた沢山のグッズたち。
いくらファンだからといって、これは本人が見たら引くレベルの量だろう。それは私が一番わかっている。
だってこの為に――、推し活を全力でするために私は普段、地味で真面目なOLを演じているのだから。
「わぁ……凄い、俺がいっぱいいる〜」
てっきりドン引きされるかと思っていたのに、レイヤくんは目を輝かせて自分のグッズたちを見ていた。
「……引かないの?」