ルーツ ルーツ ルーツ!

エピローグ

ルーツ ルーツ ルーツ!
先祖の数だけ、物語がありルーツがある。
両親で2人
祖父母で4人
曾祖父母で8人
高祖父母で16人

ネズミ算のように増えていくご先祖様。
全ての先祖に人生があり、それぞれにストーリーがある。

そして、生きた証として子供がいて、孫にも思いが引き継がれる。
そう考えると、1人の人にどれだけ多くのDNAが引き継がれているのだろうか。
孤独を感じていても、多くの先祖を持つ人間は決して1人では無い。

悠は、心の中でこう唱える。

オオジイ、ゐくさん、磯さん。
みんなの生きた証が、私のこの身体の中に引き継がれているんだね。大事な命をありがとう、みんなの思いを背負って・・・。いや、背負うのではなく。何だろう、皆を乗せて私の人生が進んでいくのだろうな。

数代先の子供達、そうだな曾孫とかが「悠お祖母ちゃんって、どんな人だった」なんて聞く日も来るのだろうか。何か胸の奥が、ぽわっと温かくなる。

心臓がトクトクトクと小さな音を立てて動いている。
それすら、感謝したくなる。

多くの先祖がどれだけの困難を乗り越え、この命のバトンを繋いできたのか。

リボンから始まり、自分のルーツを調べた事で、悠は多くの思いを受け継ぐ事が出来た気がした。

これからは、全ての先祖に。
命のバトンを繋げてくれた、全ての人々へのありがとうを胸に生きていこう。
そう悠は心に決めたのだった。

【完】

この物語はノンフィクション・ノベルです。
戸籍や、親戚等の聞き込みで、知り得た情報を元に創作しています。
プライバシーを配慮し、意図的に創作した部分があります。
ご了承下さい。

ルーツ ルーツ !ツール!
この物語を、曾祖父母 磯吉・似く 
           勘蔵・はるよ
        祖父 治郎     
              に捧げる。
                          2022.2.27