「お任せ下さい。フフッ……俺は、ヒーローだ!」

 その目は、明らかに他の人と違っていた。まるで欲にまみれた人間のようにギラギラと輝かせていた。
  俺がその事件を知ったのは、夕方の速報ニュース。ぼんやりしながら観ていたらその事件の速報が流れ驚いた。

『暴力団の四神会・白虎組(百城)の組長がライフル銃で射殺』

20✕✕年になってから日本の暴力団四つに分裂され、まとめられるようになった。殺された白虎組が関西や中部地方中心の組。
 玄武組が東北地方や北海道中心。
南……中国地方や四国、沖縄や九州地方中心なのが朱雀組。

最後がもっとも大きく関東中心で四神会のリーダーとして指揮を取っている青龍組だ。その4つ組が手を取ったのが四神会。
 それぞれの組の権力は、大きく警察にもそれなりに融通が利く。
 お互いの地方の治安を守り管理することで無駄な争いが起きず政治や警察とも上手くやってきていた。そして、そのどちらとも属さないのが赤薔薇会だ!
 闇組織として君臨するアイツらはその合間を掻い潜り、いろんな犯罪に手を染めてきた。
 だから犯罪が起きる時に赤薔薇会が関係していると言われるのだろう。
 これには、警察も大きく動くだろうし、赤薔薇会が絡むとなると神崎さんも動くだろうな。何だか良くないことが起きそうな気がして胸騒ぎがした。
 俺もどうにか力になれないだろうか。そうしたら神崎さんとまたバディとしてやれるのに。

 モヤモヤした気持ちで居るとPCウォッチのテレビ電話の着信音が突然鳴り出した。
 瀬戸さん? それか神崎さんか!?
俺は、期待を込めてすぐに電話に出ると伊波君だった。

『ごめん。今大丈夫?』

「う、うん大丈夫だよ。丁度テレビを観ていたところなんだ」

『あ、それなら丁度良かった。ニュース観た? 四神会の白虎組の組長が射殺されたって』

 伊波君も同じのを観ていたらしい。それもそうだよな。
速報でもやるようなニュースだし、世間が大騒ぎになるだろう。