自分で思っておきながら虚しくなっていく。ハァッとため息を吐きながらゴミ袋をゴミ捨て場に捨てた。この日の仕事はそれで終了。

「疲れた……早く帰って寝よ」

 そう思いながら裏口のドアを閉めた。明日も大学がある。

 翌日。俺は、あくびをしながら起きると朝の新聞配達のバイトに出かけた。
 朝は、新聞配達。大学に行き、帰りは神埼さんところのお店でバイトするの日が続いた。今は、それプラス調査のキャバクラのボーイだから正直眠い。
 講義を聞きながらウトウトとしていた。早く終わらせて普通のバイトに戻りたい。
 ラーメン屋は、辞めるはめになったから新しいバイトを探さないといけないしな。
 あぁ……ダメだ。意識が遠退いて行く。

「おい、立花。立花ってば起きろ」

 ハッとして慌てて起きた。あれ? いつの間にか講義が終わっていた。
 席は数人しか居ない。すると呆れたように隣の奴がため息を吐いてきた。

「まったく。講義中爆睡するなよな? 教授とかにバレないかヒヤヒヤしたぞ。こっちは」

 そう話してきたのは、友人の松本智紀(まつもとともき)。同じ教育学部に通っている。ちょっとお調子者だが根はいい奴で仲がいい。
 俺より少し背が高いがほぼ背丈は変わらない。茶髪だが後ろ姿が似ていると言われた事がある。

「ごめん、ごめん。最近バイトが忙しくてさ」

「バイトって喫茶店の? あれ? ラーメン屋だっけ?」
「いや……ラーメン屋は辞めてさ。今は、違うバイトをやっているんだ」

 詳しくは言えないけど。松本には、俺が喫茶店兼探偵の助手みたいなことをしてるとは言っていない。
 秘密にしているのもあるが、下手に興味を持たれても困るからだ。お調子者だし。

「ふーん。なぁなぁ、ところでさ。お前に会わせたい奴が居るんだけど、今日もバイト?」

「会わせたい奴? 悪いけど今日もバイトなんだよね」

 あぁ本当なら松本みたいに大学生活を満喫したい。しかしバイトをしないと食べていけないし、苦学生の辛いところだ。すると松本は残念そうな顔をしてくる。