褒められても嬉しくないと思っていると赤羽は、余裕な表情で笑っていた。
 まるで、まだ何かを企んでいるかのように。

「しかし残念なことにそこまでだ。僕がそこまで考えてなかったと思う? 全部想定内だよ。君達は、ここで死んでもらう。何処かに隠してある時限爆弾と一緒にね」

 えぇっ……時限爆弾って!?
 俺と神崎さんは、その言葉を聞いて驚く。まさか赤羽は全部計算をした上で、二階堂ユミカ共々ここで殺す気だったなんて……。

「赤羽……貴様!?」

『残念だったね。神崎君。君は、ここで死ぬんだ。もし生きて来られたらまた会おう。赤薔薇会に栄光あれ。ハハッ……バイバイ』

 赤羽は、おかしそうに笑いながら画面を消した。静まり返る倉庫の中。
しかし、すぐにハッとする。とにかくここから逃げなくては!!

「神崎さん。とにかく二階堂ユミカを連れて逃げましょう」

「あぁ……そうだな」

 神崎さんは、急いで眠っている二階堂ユミカをおんぶする。俺は、カバンを持って逃げようとした。しかしその時だった。
 扉がガッシャンと音を立てて閉め出されてしまう。
 はぁっ!? 閉め出された……!!
 俺は、慌ててカバンを置くと扉を開けようとした。だが、頑丈な扉はびくともしない。何処かで犯人が潜んでいたのだろう。
 俺達は、まんまと罠に嵌められてしまったようだ。

「くそっ……開かない!!」

「立花やめろ。しっかり固定されて開けられないのだろう。それよりもこの現状をどうにかしないとヤバイぞ。ここに時限爆弾があるのだからな」

 あ、そうだった!! 早く時限爆弾を見つけて何とかしないと。
 この倉庫ごと爆発してしまう。えっ……でも何処に?
 俺は、必死に辺りを見渡した。それなりの広さと機材や木材が置いてある。
一つ一つ調べていたら間に合わないのに……。
 焦る一方で冷静な判断が出来なくなっていた。だが神崎さんは、何やらうーんと考え込んでいた。

「赤羽の性格からして見つけにくい場所に隠さないはずだ。それを見て恐怖する姿を見て喜ぶ性質の奴だからな。だとしたらもっと近くで、見つけやすい場所に」