神崎さんが心配かけないようにニコッと微笑んでいた。
 よし。自己中なストーカーから絶対にエレナちゃんを守ってやる。俺は、そう心に誓った。
 そしてエルナちゃんがリカコさんにメイクをしてもらい撮影場所まで向かった。
 俺と神崎さんは、一緒について行く。するとエレナちゃんは、神崎さんに話しかけていた。

「ねぇねぇ神崎さんってモテるでしょ? 今、彼女とか居るの?」

「居ないな。それに、そんなにモテないよ」

「えー嘘だ~絶対にモテるでしょ!? ねぇ、立花君もそう思うよね?」

 そう言いながら後ろに居た俺に振り返ってきた。えっ……?
 まさか、こちらに話がふってくるとは思わなかったから驚いてしまった。
 神崎さんはイケメンだから、どうしても気に入るのは仕方がないが。まさか俺にも話しかけてくれるなんて……。
 しかもニコニコと無邪気な笑顔で。あんなに可愛いのに親切だなんて反則級かよ!
 俺は、心臓がドキドキと高鳴っていた。あの笑顔を向けられたら男は、好きになってしまうだろう。ストーカーだって……。

 縁起でもないことを思いながら撮影スタジオに入って行く。
中に入るとスタッフ数人とカメラマン。そしてモデルの女の子が三人が居た。
すでに撮影が始まっていたのだが凄いな。さすがプロのモデルなだけはあって、全員がお洒落に着こなし華やかだった。
 何より全員顔が小さくスタイルがいい。そして可愛らしい子ばかりだ。
 エレナちゃんもすぐにメイクや打ち合わせをして撮影に参加する。やはりエレナちゃんは、その中でもダントツに可愛いと思った。するとリカコさんが、こそっとこちらに来た。

「どう? 怪しい人物とか居た?」

「今のところは、怪しいと思う人物は居ないみたいですね」

「そう。それなら良かったわ。まったくストーカーって嫌よねぇ~私も狙われないように気を付けなくちゃあ~」

 怖いわぁ~と怯えるリカコを見て。
 いや……リカコさんの場合は、もしそんな人が居ても返り討ちにしそうな気がする。そう思ったが口に出すと怖そうなので黙っておく。
 しばらくするとエレナさんは、撮影が終わり少しの休憩になる。こちらに向かって元気に手を振って来た。