周りを見ると高齢者の女性から子供連れの女性まで。平日だが、結構混んでいた。
　しばらく待っていると、自動ドアが開き３人の覆面をした男達が入ってきた。
　えっ！？　すると覆面の男は、銃を天井に向ける。
そして、ドンッと大きな銃声の音が店内に響き渡る。まさかの銀行強盗だった。

「おい、金を出せ。大人しくしないと撃つぞ」

　覆面の男達は、大きな声でそう言いながら拳銃を何発か撃つそのたびに周りから悲鳴が飛んだ。お、おいマジかよ！？

「さっさとカバンにあるだけの金を詰めろ。変な真似をしてみろ？　頭をぶっ飛ばすぞ」

「貴様らは、こっちだ。ＰＣウォッチを置いて一カ所に集まれ。騒いだり、勝手な事をしてみろ？　すぐに殺してやるからな」

　犯人達は、それぞれ指示を出してきた。そして、俺と神崎さんを含めて客を一カ所に集められる。ＰＣウォッチは、没収されたため外部からの連絡は出来ない。
　まさか今度は、銀行強盗の人質になるなんて思ってもみなかった。
　俺は、どれたけ運が無いんだと嘆きたくなった。くっ……一体どうしたら。
　どうにか出来ないか横目でをチラッと見る。すると隣で座っていた神崎さんは、ため息を吐いてきた。

「どうも、お前が居ると犯罪に巻き込まれやすいな」

「はっ？　どう意味ですか？　それは」

　突然の発言に俺は、思わず反論する。何で俺が居ると犯罪に巻き込まれやすいんだ？。　それって……どういう意味だよ！？　
　すると神崎さんは、もう一度ため息を吐いてくる。

「赤薔薇会関連のキャバクラと結婚詐欺。そして、またもや銀行強盗。偶然にしては最近やたらにお前に危害が加わる。運が無いんじゃないか？」

「えぇっ！？　それって俺の運より、神崎さんが俺に対して危ないバイトばかりさせるからでは？」

　何で俺のせいになっているんだよ？
　俺は、怒って大声で反論する。すると強盗の１人が天井に発泡すると、俺達に銃口をこちらに向けてきた。

「おい。そ、そこ。ごちゃごちゃと大声で話をしているな。勝手な事をしてみろ。ぶっ殺すからな」

「す、すみません……」