「そうですよ。呑気に言っている場合ですか!? あの後……大変だったんですからね。肝心な篠田とミキも死亡するし、キャバクラの経費が高過ぎると怒鳴られるし。経費で落とせないから自腹で払えと言われたんですよ……先輩。うん? これうめぇ」
瀬戸さんが半べそになりながらも自家製のナポリタンをガツガツと食べていた。
ちなみに、ここのナポリタンは、名古屋風の鉄板ナポリタンだ。
ナポリタンの下に卵焼きが敷いており濃厚なケチャップの味と相性抜群。しかしあれ、やっぱり経費で落とそうとしたんだ? 神崎さん。
そりゃあ落ちる訳がない。いくらなんでも。経費で数百円も使ったのだから。
瀬戸さんが気の毒に思えた。自腹にされたら、いくらなんでも可哀想だ。
俺は皿を洗いながら横目で神崎さんを見ると気にすることなく、ナポリタンを作っている。茹だったお湯にパスタを入れると、その間にフライパンにオリーブオイルを敷いて玉ねぎとウインナー、ピーマンを炒める。
具材は炒めた後トマトケチャップを入れて煮詰め、バターを加えて溶かしてから茹でた麺と絡める。出来上がったナポリタンを熱した鉄板に移し、ナポリタンの周りから塩こしょうを加えた溶き卵を注ぐ。鉄板ナポリタンの完成。う、旨そう……。
俺は、手を止めてよだれを垂らしていた。すると神崎さんは、コンロの火を止めてカウンターの上に置いた。
「立花、これを三番の佐藤さんに。それと悪かったな、瀬戸。心配するな。どーせ落とせないと最初から思っていたから。その代金は、俺が立て替えてやろう」
「本当ですか。先輩」
嬉しそうに目を輝かせる瀬戸さん。
いやいや。元は、神崎さんが支払わないといけないやつですよ!
そうツッコミたくなったが、あえて言うのはやめて、ナポリタンを運ぶ。喜んでいるのに突き落とすのも悪いし。
ハァッとため息を吐いていると1人の30代前半ぐらいの女性がお店に入ってきた。黒髪のボブで雰囲気も服装も大人めな感じだ。
「あ、あの……突然すみません。ホームページで探偵事務所をやっていると見たのですが」
どうやら探偵としての依頼らしい。モジモジしながらスカートをギュッと握り締める女性。
どうやら内気な性格なのだろう。すると神崎さんは、冷静な表情で
「ここは、ドアの貼り紙の質問に答えた人しか入れない。では問題『20××年総理大臣の名は?』」と問題を出した。
えっ? ちょっと神崎さん!? 探偵の依頼で来ているのに何問題を出しているんですか?
その女性もいきなりの問題に驚いてオロオロしていた。あ、ほら困っているし。
「あ、えっと……O倍○三です」
「正解。どうぞ……席に。今は、お客も居ないから気軽に相談が出来ますよ」
正解したのでニコッと笑顔で招き入れる神崎さんだった。瀬戸さんも居るんだけどな。どうやら瀬戸さんは客にカウントされてないようだった。
女性は、オロオロしながらもカウンターの席に座った。瀬戸さんと一つ離れた席に。
「ご注文は?」
「あ、じゃあアイスコーヒーとシフォンケーキで」
神崎さんは、注文を聞くと手早くコーヒーを淹れた。シフォンケーキも神崎さんのお手製だ。ふわふわして、しっとりと柔らかいので女性に人気が高い。
瀬戸さんが半べそになりながらも自家製のナポリタンをガツガツと食べていた。
ちなみに、ここのナポリタンは、名古屋風の鉄板ナポリタンだ。
ナポリタンの下に卵焼きが敷いており濃厚なケチャップの味と相性抜群。しかしあれ、やっぱり経費で落とそうとしたんだ? 神崎さん。
そりゃあ落ちる訳がない。いくらなんでも。経費で数百円も使ったのだから。
瀬戸さんが気の毒に思えた。自腹にされたら、いくらなんでも可哀想だ。
俺は皿を洗いながら横目で神崎さんを見ると気にすることなく、ナポリタンを作っている。茹だったお湯にパスタを入れると、その間にフライパンにオリーブオイルを敷いて玉ねぎとウインナー、ピーマンを炒める。
具材は炒めた後トマトケチャップを入れて煮詰め、バターを加えて溶かしてから茹でた麺と絡める。出来上がったナポリタンを熱した鉄板に移し、ナポリタンの周りから塩こしょうを加えた溶き卵を注ぐ。鉄板ナポリタンの完成。う、旨そう……。
俺は、手を止めてよだれを垂らしていた。すると神崎さんは、コンロの火を止めてカウンターの上に置いた。
「立花、これを三番の佐藤さんに。それと悪かったな、瀬戸。心配するな。どーせ落とせないと最初から思っていたから。その代金は、俺が立て替えてやろう」
「本当ですか。先輩」
嬉しそうに目を輝かせる瀬戸さん。
いやいや。元は、神崎さんが支払わないといけないやつですよ!
そうツッコミたくなったが、あえて言うのはやめて、ナポリタンを運ぶ。喜んでいるのに突き落とすのも悪いし。
ハァッとため息を吐いていると1人の30代前半ぐらいの女性がお店に入ってきた。黒髪のボブで雰囲気も服装も大人めな感じだ。
「あ、あの……突然すみません。ホームページで探偵事務所をやっていると見たのですが」
どうやら探偵としての依頼らしい。モジモジしながらスカートをギュッと握り締める女性。
どうやら内気な性格なのだろう。すると神崎さんは、冷静な表情で
「ここは、ドアの貼り紙の質問に答えた人しか入れない。では問題『20××年総理大臣の名は?』」と問題を出した。
えっ? ちょっと神崎さん!? 探偵の依頼で来ているのに何問題を出しているんですか?
その女性もいきなりの問題に驚いてオロオロしていた。あ、ほら困っているし。
「あ、えっと……O倍○三です」
「正解。どうぞ……席に。今は、お客も居ないから気軽に相談が出来ますよ」
正解したのでニコッと笑顔で招き入れる神崎さんだった。瀬戸さんも居るんだけどな。どうやら瀬戸さんは客にカウントされてないようだった。
女性は、オロオロしながらもカウンターの席に座った。瀬戸さんと一つ離れた席に。
「ご注文は?」
「あ、じゃあアイスコーヒーとシフォンケーキで」
神崎さんは、注文を聞くと手早くコーヒーを淹れた。シフォンケーキも神崎さんのお手製だ。ふわふわして、しっとりと柔らかいので女性に人気が高い。