それよりもミキさんが!? まさか篠田と繋がりがあるのは、マヤさんではなくてミキさんの方だった。それじゃあ……マヤさんは、ただのカモフラージュ?
 意外な真実に俺は、驚いてしまった。あ、だから神崎さんは、ミキさんを指名したのか? もしかしたらすでに気づいていた?

 その後のミキさんは、何食わぬ顔をして神崎さんにタオルを渡していた。
篠田も同じようにトイレから戻ると変わらずマヤさんにべったりだった。
 これは一体? 俺は、啞然とするしかなかった。
 俺は、仕事が終わると慌てて神崎さんにテレビ電話をした。神崎さんは、篠田が帰るとそのまま先に帰宅していた。

「神崎さん、俺見ました。ミキさんが篠田に何か金属みたいな物を渡していました」

「……やはりな。立花。今すぐ喫茶店に来い。お前に真相を教えてやる」

「えっ? 真相……?」

 じゃあ、分かったんだ? このややこしいトリックが。
 俺は、当てて駅まで走る。そして神崎さんの経営する喫茶店に向かった。
 喫茶店に着くと閉店した店の中に入る。電気は、ついている。すると神崎さんが出てきた。背広とベストは、脱いでネクタイは、外していた。

「来たのなら、こっちに来い」

「は、はい」

 神崎さんに案内され俺は、ついて行く。しかし休憩室で話してくれるのかと思ったら何故か反対側にある物置きになっているドアを開けてきた。えっ?

「そこ物置きですよ?」

 そう言うが構わず入っていく神崎さん。俺も入ってみるが、やっぱり物置きだった。すると床に置いてある荷物を退かし始めた。
 そうすると下に戸みたいものが。神崎さんは、開けるとそこは下に続く階段が。

 えっ? 隠し部屋!? いや……地下街?
 俺は、驚いていると神崎さんは、黙ったまま階段を下りて行く。恐る恐る俺もついて行く。階段を全て下り終わると扉があった。
鍵を開けて入り電気をつける。すると、す、すげぇ……。

 そこは、部屋になっているのだが後ろには、最新型のPCプロジェクター「ZED9」が設置してある。部屋の周りにも。
真ん中には、細長いデスクとデスクチェアーがあった。
 PCプロジェクターとは、そのままプロジェクターなのだがパソコンの機能が付いている。これで映像を映しながら、いろんな操作が出来る。